防風通聖散
皆さんは、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)と聞くと、ダイエットのやつじゃない?と思う方が多いと思います。
このブログを読んでいただくと、「こういう効果があったのかー」と少し勉強になると思います。
それではいきましょう。
【効能の簡単な説明】
本方の構成は、非常に複雑で効能も多岐にわたりますが、主体は清熱(熱をさます)です。
○清熱瀉火・解毒
体内にある熱をさまし、体の中で燃え盛っている火を消します。これが主です。
それに加えて、
瀉下(邪気を下す)
祛風(体内で吹いてる風をとる)
利水薬(水捌けをよくする)
さらに加えて、
補血(血を補う)
補気健脾(気を補い、胃腸を良くする)
の配慮があります。
色々ありすぎですね。。笑
また、消炎・解熱に働くとともに、利胆・利尿・発汗という解毒・排泄の経路をすべて利用しており、炎症に対する理想的な方剤になっています。
基本的に熱を覚ましたり、解毒の効果があるものは、身体にはかなりこたえます。
刺激が強いです。
しかし、補気・補血薬を配合しているところから「攻撃の行き過ぎを抑制する」効果もあり、「発汗して表(体表)を傷らず、攻下して裏(体内)を傷らず」と言われ、安全性も高いです。
また、多種の清熱薬の組み合わせ、瀉下・祛風・利水の薬物の配合から、上・中・下・体内・体表すべての炎症に適応するので、応用範囲も非常に広い。
炎症疾患には広く用いていいと言われています。
使用目標として「体力の充実」「太鼓腹」などが挙げられていますが、
本方は元来「表裏倶実」と言われる全身的な炎症を目的としたもので、こだわる必要は全くありません。
■ダイエット目的の商品
この方剤は、下す作用があることから便通で体内の熱や毒を下してくれます。
しかし、上記で説明した色々な配慮があることから安全性が高いとしてダイエット商品にもなっているのかな?と考えます。
しかし、体表に存在する風邪症状の冷えなども発汗でとってしまうという、面白い点があります。
専門的に↓
【配合】
【効能】
【主治】
【目的】
【病機】
【効能の補足】
○疏風解表
防風・荊芥・麻黄・薄荷
→風邪(体内にある風邪)を汗として出す。
○瀉下
大黄・芒硝
→熱邪を通便によって泄下する。
○清熱
石膏・黄芩・連翹・桔梗
→肺胃の熱を宣泄する。
○清熱利湿
山梔子・滑石
→熱邪を小便として排除し、裏熱を清解します。
また、以下3種類が配合されているので、正気を守ることができます。
→ 「汗して表を傷らず。清下して裏を傷らず」といわれます。
○養血活血
当帰・白芍・川芎
○健脾燥湿
白朮
○和中緩急
甘草
余談
私の師匠である藤本蓮風は、この漢方を使用し、ある有名な感染症を治療しておりました。
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このブログは渓風院院長(木山祐輝)が作成した記事となります。
当院は、難病など西洋医学ではどうにもならない患者様が数多く来院されます。
東洋医学専門の鍼灸院で、全国では稀の少数鍼を取り入れております。
熊本市にある東洋医学専門の鍼灸院 / 伝統鍼灸 渓風院
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